50の風景と、風景にまつわる言葉。

小さな世界の窓から見える色々な風景のひとつずつ。

又吉直樹「劇場」と作家性について。

内容的にはとても面白く読みました。

ただ、基本的に芸術において作家性というものは無意味なものだと思っているので、文章を追いながらも主人公の姿、その声には常にピース又吉の姿と声が重なってしまって、そこが圧倒的な空白というか欠落を作品の中に作ってしまっていたというのが正直な感想。

作家性が不幸を呼ぶ典型的なパターン。

 

最果タヒとは正反対のケース。

ちょうど、彼女の食についてのエッセイ「もぐ」を読んでいて、食という、主体の個性があって初めて成立するテーマを、匿名性で語る面白さがあるなと思っていたところだったので。

 

作家性、なんて本当に世の中から消え去って欲しい。