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50の風景と、風景にまつわる言葉。

小さな世界の窓から見える色々な風景のひとつずつ。

Sunny

松本大洋「Sunny」第4集、ついに出ました。

 

松本大洋は本当に好きな作家で、盲目的に新刊が出たら必ず買う作家。

岡崎京子高野文子と女性作家の漫画が比較的好きなのだけれど、松本大洋に関しては、少し特別かもしれない。

 

世間的には「GOGOモンスター」「鉄筋コンクリート」あたりが最高傑作とされる傾向があるけれど、個人的には圧倒的に「ナンバーファイブ」が好き。

 

この世には、人生の哀しさというものを本当に分かっていて、それを作品で昇華できる人が確かにいて、松本大洋は数少ない人間の一人だと思う。

 

そして、「ナンバーファイブ」におけるマトリョーシカの踊るダンス。

このダンスこそがこの作品のすべて。

 

そこに言葉は要らなくて、それは人間の本能としての身体表現。

哀しさや嬉しさや楽しさ、その全ての流れのままに身体を動かすこと。

 

それは完全にニュートラルに万人に対しての表現だと思う。それを漫画というメディアで昇華させたこの作品については、もう言葉も出ない。

 

最初はストーリーの面白さに入っていくのだけれど、最後には心が空っぽになってしまいって、作品の中の空気に溶け込まれてしまうよう。

 

漫画でも音楽でも美術でも、「飛べる」か、が重要な要素だと思っているのだけれど、この作品は確かに「飛ぶ」ことをさせてくれた。

 

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「Sunny」は日常にフォーカスして、そのフォーカスをピンポイントで感情の一つ一つの揺れに合わせて拡大させていくような、そんな作品。

昔々に、子供の頃に抱いていた懐かしい気持ちを思い出させてくれます。

 

一回一回が完結する漫画でもあるので、せっかくのコミックだけれど、一話ずつ、何日もかけて読んでいます。今日はその一話目をば。