社会人になると、限りある休暇を使って、
いかに楽しい時間を過ごそうか考えてしまうもので。
そして、旅行に行くという選択肢はその要件を満たす最たるものだと思う。
家に帰るまでが旅行とはよく言ったものだけれど、
社会人にとっては「会社に再出社するまでが旅行」と言ってもよいかもしれない。
とある日の会議。
ミーティングスペースに向かうと、久し振りにいた他部門の室長さんが、
日焼けで浅黒くなっていた。どうやら一週間の休み明けの様子。
会議が始まったので特にその旅行のことは詳しく聞いていなかったけど、
何かの話になった時に、「4500mまで行ってきたからね」とドヤ顔。
どうやら中国の奥地に行ってきた様子。
その後は特別旅行の話になったわけではないので、
たったそれだけのことなのだけれど、そのドヤ顔が忘れられない。
きっと、室長さんは4500mの土地に立ち、「会社に行ったらドヤ顔だな」と
出社してからのことを考えていたに違いない。
そして、帰ってドヤ顔をして初めて、その4500mに意味が生まれたわけで。
だって、4500mに行ってきたこと自体には何の意味もないもの。
4500mに行ってきたから何なんだろうと正直思う。
哀しき会社員の定めというやつ。
まあ、「僕は5000mまでは登ったことありますけどね」なんてことは
口が裂けても言えないなと思ったことは秘密(ドヤッ)。
でも、真面目な話、5000mの高度はちょっと異空間でした。
バスでの移動の際に最高5000mまで行ったのだけれど、
まったく歩けなかったもの。
足を一歩踏み出すのがやっと。三歩くらい歩いて、そそくさとバスに戻りました。
そんなチベットの話もいつかしたいです。